突然、当たり前でなくなった時

日頃からあまり丈夫でない私ですが、昨年までは太陽の光を浴びながら二頭の愛犬と好きな庭いじりを楽しみ、わずかな野菜をつくりながら充実した毎日を過ごしてきました。
その平凡で当たり前のことが、突然当たり前でなくなった時を想像できるでしょうか。

それは、昨年の2月のことです。頭に強い重圧感と突き刺すような痛みが、頭と耳を巡り、内科や耳鼻科を2週間ほど駆け回りましたが、症状は相変わらずでした。そして朝、嫌な予感がして鏡を覗き、思わず顔を覆ってしまいました。
眼は開けられず、口は半分曲がり顔も変形し、麻痺していたのです。食べ物を飲みこむのもままならず、口から流れ出してしまうのです。
外に出られない、主人や娘と歩くこともできない、どん底に落ち込みました。
すぐ脳神経外科を受診しました。診断の結果は、ウイルスが、眼から入ったとのことでした。先生(お医者様)に「治りますか?」と尋ねますと、「治るか、治らないか、私にはわかりません」との冷ややかなものでした。
嘘でもいいから、「治ると思います、頑張りましょう」といって欲しかったのです。ショックのあまり涙も出ませんでした。

そんな私を娘は、すぐ中国針灸院の史青山先生に診てもらうように勧めてくれました。
針灸院を訪れると、そこにはバラの花が飾られ、問診のため 話を聞いて下さる奥様は、そのバラよりも美しく心優しい方でした。
そして先生も心温かくご信頼できる方でした。この先生でしたら、絶対治していただけると、確信し毎日通院いたしました。

その甲斐があり一日一日良くなりました。先生や奥様から「よくなってきたね」と言われ、自分の顔を鏡に映し回復の様子を実感して、幸せと先生への感謝の念を深く感じております。そして私は、5月の中半まで約3カ月通院させていただきましたが温かい“ねぎらいと励まし”の言葉をかけていただき、喜んでくださった奥様のお顔が今も思い出されます。

そしてその後、好きな庭いじりと何もなかったかのように、唄仲間とカラオケを楽しんでおります。今在るのは、史先生のお陰と思い日頃の健康の有り難さに感謝しております。
昨年の秋も終わる頃、19年も共に過ごした二頭の愛犬も旅立ち、今は気まぐれの愛猫とそれなりの充実した日々を過ごしております。
冬が去り春を迎える今日この頃、あれから丁度一年が立ちましたが、つい昨日のように思い出されます。
史先生と奥様のご清祥を心よりお祈りいたしております。ありがとうございました。

平成22年3月9日

(札幌市北区 60代女性)